『第2回ルーマニアと静岡響く音色 ミュージアムコンサート2025』開催
- 静岡ルーマニア文化交流協会
- 9月11日
- 読了時間: 6分
2025年8月16日(土)、静岡県長泉町の静岡県新文化施設(旧ヴァンジ彫刻庭園美術館)において、『第2回ルーマニアと静岡 響く音色 ─ミュージアムコンサート2025─』を開催いたしました。
当日はおよそ80名の方にご来場いただき、会場は終始あたたかな拍手と笑顔に包まれました。

本公演は、ルーマニアとの文化的交流を目的として開催されました。
ルーマニアの都市ヤシ市から4名の音楽家(Antonia Maria Bîrlă, Constantin Stavrat, Oana Andreea Severin, Carmen Stavrat)を招聘し、さらにルーマニア国立オペラ クルージュ・ナポカ所属の瓦愛都(Kawara Ato)さんにもご参加いただきました。
公演は、ルーマニア文化紹介およびルーマニア奏者による演奏から始まり、静岡大学邦楽部、静岡大学和太鼓サークル龍韻太鼓による邦楽演奏を経て、和太鼓団体「静羅太鼓」とルーマニア奏者との協演に至る三部構成で行われました。
本公演のプログラムは以下の通り行われました。
◇第一部 :ルーマニア紹介と演奏
第一部は、ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学日本文化センター所長 角悠介さんによるルーマニア紹介から始まりました。
地理や歴史などのルーマニアの基本的な紹介に加え、当協会との関わりについてもご紹介いただきました。

紹介の冒頭には、ルーマニア国立オペラ クルージュ・ナポカ所属の瓦愛都さんによるルーマニア国歌『Deșteaptă-te, române!(目覚めよ、ルーマニア人!)』の独唱が行われ、荘厳な歌声が会場を満たしました。
瓦さんは歌唱だけでなく、公演全体の司会も務めてくださり、演奏曲の紹介などを分かりやすく伝えていただくなど大変大きな役割を担ってくださいました。特にルーマニアの奏者から託されたルーマニア語の曲紹介文を、来場者に分かりやすく紹介してくださったのは、本公演を円滑に進行するうえで欠かせないものでした。
その後、角さんの解説とともにルーマニア文化への理解が深められ、続いてルーマニア人奏者による演奏へと移りました。
今回の公演には、アントニア ブルラさん(Antonia Maria Bîrlă)、コンスタンティン スタヴラトさん(Constantin Stavrat)、オアナ セヴェリンさん(Oana Andreea Severin)、カルメン スタヴラトさん (Carmen Stavrat)の4人のルーマニア人音楽家の方々が出演されました。
ルーマニアのクラシックから民謡まで幅広い演目が披露され、透き通る歌声や力強い合唱、そしてマリンバやビブラフォンの響きは、幻想的かつ迫力に満ち、観客を魅了しました。
ルーマニア人奏者による演奏プログラムはこちら
1. Paparudă - mi minor ルーマニア伝統曲「パパルーダ(雨乞いの踊り)」
2. Sabin Drăgoi - Când treci bade pe la noi サビン・ドラゴイ(ルーマニア)「愛しい人、あなたが私たちの元へ来る時」
3. Sabin Drăgoi Mers-a badea la Tinca サビン・ドラゴイ(ルーマニア)「若者がティンカへ向かった」
4. Cântă cucu-n Bucovina ブコヴィナ地方の民謡(ルーマニア伝統曲)「カッコウはブコヴィナで歌う」
5. Sabin Drăgoi - Măi tu codru frate codru サビン・ドラゴイ(ルーマニア)「おお森よ、兄弟の森よ」
6. Tiberiu Brediceanu - Știi tu, bade ティベリウ・ブレディチェアヌ(ルーマニア)「分かっているかい、愛しい人」
7. Cine-o zis dorului ルーマニア伝統曲「誰が“恋”という名をつけたのか」
8. Maramureș, plai cu dor マラムレシュ地方の民謡(ルーマニア伝統曲)「マラムレシュ、愛のあふれる地」
9. Călușarii ルーマニア伝統曲「カルシャリ(祭礼の踊り)」
10. Grigoraș Dinicu - Ciocârlia
グリゴラシュ・ディニク(ルーマニア)「ひばり」
11. Constantin Brăiloiu - Cântec orășean
コンスタンティン・ブライロイウ(ルーマニア) 「街の歌」
12. Grigoraș Dinicu - Hora staccato
グリゴラシュ・ディニク(ルーマニア)「ホラ・スタッカート」
さらに、奏者の方々はルーマニアの伝統衣装「イエ」に身を包み、時に軽やかなステップを交えながら演奏や歌も披露してくださいました。音楽と舞踊が一体となった舞台は、会場にまるでルーマニアの風が吹き込んだかのような活気をもたらしてくれました。

◇第二部:邦楽・和太鼓の演奏
休憩をはさんだ第二部では、静岡大学邦楽部、静岡大学和太鼓サークル龍韻太鼓が出演し、日本の伝統音楽の魅力を存分にを届けてくれました。
まず静岡大学邦楽部による演奏では、『月の旋律』(作曲:菊重精峰)と、『ちろり』(作曲:加羅古呂庵一泉)の2曲が披露されました。
箏や三味線の繊細で優美な音色は、会場の響きと見事に調和し、静謐でありながらも力強さを秘めた音楽世界を作り上げました。聴衆の方々も耳を傾けながら、和楽器の持つ深い表現力に引き込まれていました。
続いて、静岡大学和太鼓サークル龍韻太鼓による演奏が行われました。
『長谷川』(作曲:長谷川知紀)、 『天チ喜』(作曲:布施喜子)、 『猛虎』(作曲:一瀬紫光)、 『遊』(作曲:岡田寛行)の4曲が次々と演奏され、舞台は一気に躍動感に満ちた空間へと変わりました。
若々しいエネルギーと瑞々しさにあふれる演奏は、力強いリズムと疾走感あるメロディが特徴で、観客の心を揺さぶる迫力に満ちていました。
◇第三部:文化交流の協演
そして公演の締めくくりとなる第三部では、当協会の和太鼓団体「静羅太鼓」と、ルーマニアから来日したアントニア・ブルラさん(マリンバ)が協演し、『花鳥風月』(作曲:関澤真由美)を披露しました。
今回の舞台には、協会メンバーである4名が出演し、力強く響く和太鼓の音と、マリンバの澄んだ音色が重なり合いました。
日本とルーマニア、和楽器と洋楽器が溶け合う瞬間は、国境や文化を越えた響きの交差を体感できる、挑戦的で意義深い時間となりました。
プログラムの終了後には、出演したルーマニア人奏者と、司会を務めてくださった瓦愛都さんへ花束が贈呈され、会場全体が温かな拍手に包まれました。
さらに最後にはルーマニア人奏者によるアンコール演奏が行われ、公演は華やかに幕を閉じました。国際的な文化交流の場として大きな成果を残し、会場を後にする観客の表情からも満足感と感動が伝わってきました。

最後に、本公演の開催にあたり、多大なご支援を賜りました地元企業・団体の皆さまに、心より御礼申し上げます。皆さまの温かいご協力により、今回の国際交流の舞台を実現することができました。
あわせて、ご来場くださった皆さま、そして出演者・関係者の皆さまに、あらためて深く感謝申し上げます。
今回の公演を通じて静岡とルーマニアの友好がさらに深まったことを嬉しく思うとともに、今後も両国をつなぐ文化交流を大切に育んでまいります。
【出演】
Bîrlă Antonia-Maria, Constantin Stavrat, Oana Andreea Severin, Carmen Stavrat
瓦愛都(ルーマニア国立オペラ クルージュ・ナポカ所属)
角悠介(ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学日本文化センター)
静羅太鼓(丸山桜・松竹胡海・小野隆太郎・LEELAPONGANAN CHAYUTPONG) 静岡大学邦楽部、静岡大学和太鼓サークル龍韻太鼓
【後援】 長泉町、静岡大学、在日ルーマニア大使館、ルーマニア文化学院、ルーマニア国立ジョルジェ・エネスク芸術大学、ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学日本文化センター、ヤシ市
【協力】静岡県 本事業は、静岡県のトライアル・サウンディング制度を活用しています。
【協賛・協力企業一覧】

































































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